地方ほのぼの新聞
生活人語
毎週水曜日に更新

桜、藤の満開で思う!

 先週、この地域では桜が咲き誇った。そして今週は、事務所(以前の私の自宅)の藤が満開になった(写真)。こうして春の美しい光景を見る度に妻は、「桜や藤の満開をいつまで見ることが出来るのかなあ」とよく言う。歳を重ねた私も(9月に80歳)将来に不安を感じ、昨年3月に主力事業の訪問介護事業を無償で他事業所に移管し、NPO法人の代表も娘婿に譲り、今はケアマネ事業と介護予防のカルチャー活動を、一人の会員として活動しながら、最近は妻と小さな旅をしている。水上温泉、鵜の岬、都内散策・・・、そして来週は二泊三日で山陰の足立美術館に行く予定である。

 しかし、私には心残りが一つある。ある思いを抱いてNPO法人を設立し、SNSはFacebook、Twitter(X)、更にはLineよりも早く大学院生に開発して貰い、ブログ/写真、カルチャー日程などの運用を開始、自らは「生活人語」と称するブログにて、日頃の生活とNPO法人の理念を関連づけて毎日書き続けた。しかし、歳を重ねるに従い、ブログ投稿は週に一度(毎週水曜日)、随時、そうして最近は、数か月に一度になってしまった。が、最近のSNSの誹謗、中傷、なりすまし等の悪用を知るにつけ、私の思いが再び湧いてくるのだ。でも、妻との思い出づくりの旅も楽しい。そこで、この旅を続けるためにも、自らの思いは精神的支柱として、程々に持ち続けたい。H.U

2024/04/18
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バリの旅

 昔観た映画「南太平洋」の舞台と、”バリハ~イ♪”の音楽に魅せられ続けて、ようやくバリ行きの夢を叶えた。土着の文化や人々に触れ、南国情緒に浸りたい…との思いから、人気のマリンスポーツやスパ(トリートメント&マッサージ)とは無縁のフリー旅だった。
 直行便で7時間、時差は1時間遅れの常夏の国。イスラム教徒数世界一のインドネシアにあっても、人口300万のバリは、90%がヒンドゥー教という独自の宗教と文化を持つ島である。「言葉も違うし(空路1時間余りの首都)ジャカルタと一緒にしないで!」と、ベテランガイドが息巻くように、篤い信仰心や儀式、祭り、芸能文化などがしっかりと根付いていた。
 雨期のせいか観光客はまばら。台湾人を抑えて昨年度トップの日本人には“ニコニコ”と片言で親しげに話しかけてくる。精悍な浅黒い肌にキラキラした丸い瞳、天然サウナで男女ともスリムな体型故か、メタボの友人に合うパンツは「どこも置いていない」と、笑われてしまった。赤道直下、帽子の下で汗ふきに忙しい私たちには、何とも涼しげな顔ばかり。。
 6・3・3制の学校は殆どが午前中で終わる。子供の足は自転車、大人はオートバイのみ(4人乗りまで)と決められており、日本語学校はどこも盛況のようだった。繁華街から海辺のホテルまでの1時間余りを、小型のバンで何往復したことだろう・・・田園地帯に、にわか作り風の粗末な車道がくねくねと延びていて、狭い道の両側には一列だけの店、店、店・・・の観光化がちょっと哀しい。
 友人参加の差額でグレードアップした5つ星ホテルは、高名な建築家の設計というだけあって、素晴らしい環境にあった。満潮時には海に浮かんで見え、夕日の美しさで有名なタナロット寺院が目の前に…広大なゴルフ場を備え、終日散策していたい、ブーゲンビリアや名も知らぬ南国の花々と緑の庭園。野趣に富んだ大小5つのプールで、私は思いっきり泳いだ後、ヤシの葉陰やあずまやで憩い、サーフィン向きの波打ち際を眺めて、楽園気分を満喫した。
 OPは充実していて、二人だけのガイド付き専用車で、14時間の「バリ達人ツアー」と「3大ダンス&寺院巡り」を選んだ。ヤシ、しゅろの茅葺き屋根と蓮の池が印象的なアジア風の素朴な寺院や王宮には、決まって狛犬・から獅子に似た石造りの門番?が、睨みをきかせているかのように控えていた。
 島の中央部にそびえる2番目に高い山の名は、「日本人が聞くと皆笑う」というキンタマーニ山。頂上のテラスで眼下の棚田や海を眺めながら昼食をとっていると、突然のスコールに見舞われてビックリ!いつもは夕方か夜中に降るらしい雨はすぐに止み、緑を増した木々と空の青さが快かった。島の花は中が黄色で、赤白ピンクのつつじに似た5弁のプルメニアン。歓迎のしるしに耳の上に挿してもくれるが、食器や髪飾り、部屋の装飾から階段、トイレ、屋外の排水溝に至るまでさまざまな場所に置かれて、彩りを添え、甘い香りを漂わせていた。
 トイレといえば低めの洋式便座で楽だったが、和風には紙がなく、インド式の水洗い!不浄の左手で人を指すなぞ以ての外で、左利きの相棒はあれこれマナー違反に要注意!?
 特産品は銀細工、布・木彫り製品、コーヒー、チョコレートなど。大型店以外は値段が付いてないため、交渉力が俄然ものをいう。US$と円が使えるが、釣銭は全て現地RP(ルピア)。1000RP=約10円で、枕銭・絵葉書は5000RP。0を2つ取って目安にしたが、トータル時の桁違いには混乱し、財布は細かいお札ですぐパンパンになるのがおかしかった。気に入った食物はロブスターや鶏料理、チャーハン、空芯菜などの炒め物。
 たまたま立ち寄った寺院では、運よくお祭りの光景に出合えた。老若男女混合の沐浴姿にカメラを向けたが、お咎めなし。人々は身を清め、民族衣装の正装で、チャナンと呼ばれる花のお供え物と線香を手に、祈りを捧げるのである。家々の庭にも、日傘の陰に祠のような神棚をしつらえていて、供物と祈りを欠かさない。私たちも「神と向き合う」という意味のあるスレンダンひもをウエストに巻いて参拝をした。ここでは音楽も踊りも全ては神への捧げものとのこと。神々の島、と呼ばれる所以であろう。
 バリのハイライトは何と言っても三大舞踊の華、レゴンダンス! 日没前から始まり、きらびやかな衣装をまとった女性たちが、手や首、腰を独特の動作でなまめかしく表現し、エキゾチックな調べに乗って見る者を幻想の世界へと誘う。大きく見開いた目の動きで勝手に上手下手を判断したが、一曲一曲が長く、踊り手の首にもうっすらと汗が…中でも、週一度しか見られない人気の舞踊団「ティルタサリ」の公演を奮発したのは大正解!だった。圧巻!感動!!ものの名劇団を率いた団長との記念写真も何とかゲット!
 善(聖獣バロン)と悪(魔女ランダ)の終わりなき戦いを描いた舞踊劇で、体長3メートルものバロンが動き回るバロンダンスや、上半身裸の男たちが主役で、「チャチャチャッ」の大コーラスが勇壮なケチャックダンスも脳裏に焼き付けた。
 「デジカメをプレゼントしようか?」といってくれた娘の厚意を無にしたずぼら人間でも、こんな時は「ブログで写真を披露できたらどんなにいいだろう・・」と思わずにはいられない。友人には不出来の写真と絵葉書、とりとめのない長文でご勘弁願うことにしよう。
 さようなら、思い出のバリ島・・・
 ありがとうの「Terima Kasih」(ティリィマカシ)すら、ろくに覚えられなかったが、親切だった島の人々には感謝をこめて、「オムスワスティ アスツー???」 神様があなたを守ってくれますように・・・ 

2009/01/31
ほのぼの写真

撮影場所: