地方ほのぼの新聞
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不定期更新

11月28日(木)の予定 他(雑感)

(1)本日のカルチャーはありません。

(2)今日は社交ダンスの稽古に行ってきます。NPO法人を設立した頃、この地域では初めて
   500円パーテイーを開始し、介護ヘルパーの処遇改善に役立てていましたが、
   その後、いろいろなサークルが真似をし始めたため、止めてしまった経緯があります。
   社交ダンスは自分の健康のために再び始めましたが、夢よもう一度という希望も
   心の中にあります。これも生きていく上で少しは力になるのでは・・・。HU

2024/11/28
トピック
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わたり鳥

 わたり鳥たちが北帰行する季節が近づいています。“鳥たちに魅せられて”、重いカメラを担ぎ、今年も休日返上で撮影旅行をしたKさんは、70代半ばにして現役バリバリのサラリーマン。単身赴任先の山陰で、52歳の手習いで始めた「写真入門」がきっかけでした。
 努力の甲斐あり、二科展10回の入選やコンテストの上位入賞を占め、3年前には会友として写真芸術家の仲間入りを果たしました。恩師からは「労力を惜しまず、対象物に向かい納得のいくまでシャッターを押し続けて、何千枚の中から選び抜かれた珠玉の作品群… 彼に一途という言葉を贈りたい」と絶賛される、こだわりの成果です。
 冬の朝まだき、近くの水鳥公園に一度お供をしただけで、寒さと被写体に早々と根負けしたことのある私は、Kさんが前夜から水分を断ち、チョコレートを食事代わりに、雪や氷の上を腹ばいになって撮り続けるという熱意の凄さには、ただただ脱帽あるのみ!でした。 
 鳥の仲間になって語りかけ、立ち去る時は「ありがとう」を忘れない彼のモットーは、「写真は自分の心の感動を伝えるお手紙」とのこと。以来、私の写真観が変わったのは言うまでもありません。
 10年前、松江市の美術館のギャラリーで、初めてKさんの写真展を観た時の、形容し難い感動と、とめどなく溢れ出た涙のわけも、彼の人柄を知るほどに納得させられています。持前の人格に、度々の事故や病気、阪神大震災(全壊)など、命の修羅場を体験した人なればこその強靭な精神力、とびっきりの優しさが加わったせいでしょうか・・
 仏映画『WATARIDORI』の大阪試写会で、Kさんが感動のあまり監督と言葉を交わし、『鳥』の写真集を手渡したと聞き、次女が映画のビデオを贈った時は、とても喜ばれました。
 野山や海を越え、スモッグの立ち込める大都会の空を、1日900キロも羽ばたいて目的地に辿り着ける不思議な生命の営み… でも過酷な道中の間に数は激減! 見事な隊列を組んで出発した鳥たちが、天敵やヘドロ、鉄砲に命を奪われ、大嵐や崩れ落ちる氷河に力尽きる場面は、切なく胸が締め付けられる思いでした。一番の天敵は人間なのでは? と。
 先日、新聞の惜別欄で、鹿児島の出水平野に飛来する鶴を長年見守り、世話をした方の記事が載っていましたが、彼のお父様もまた(大学名誉教授・元日本野鳥の会北九州支部長)その鶴の保護のために、冬の期間中、出水周辺を借りあげて、聖域化することに情熱を燃やし続けた方なのでした。
 辞世の句は  願わくば鶴去る頃に我往かむ 翅風に乗りてシベリアを観む
 奇しくも写真を通して父の願いを受け継ぐようになったKさん・・・厳寒の地で生き抜くわたり鳥(白鷺、丹頂鶴、白鳥、オジロワシなど)の姿は、けなげで力強く、時に神々しいまでに美しい・・・オホーツクの青空や降りしきる雪景色の中で、また冬枯れの湖畔や真っ赤な夕日をバックに、詩情豊かに切り取られた自然と命の讃歌は、素晴らしい映像のお手紙となって、これからも多くの人たちの心に届くことでしょう。
 白鳥のカップルたちの額を下ろしながら、「気をつけて! 元気で戻ってきてね!」と、涙で眼鏡を曇らせつつ声をかけるKさんを真似て、別れを惜しむ私です。。。

2009/03/16
ほのぼの写真

『作品集 美の恵み...

撮影場所:
2024/10/28